こんにちは!あきっと獣医です。
やっと家族の紹介も終わって、ずっとずっとお話したかったことが、やっと書けます(笑)
今回は、しめじに起こった不思議な?出来事について書きたいと思います!
長くなりますので、お時間のある時にどうぞ!
ところで、ワンちゃんを飼っていらっしゃる方は、「お散歩」ってされていますか?
「お散歩」って、何のためにするんでしょうね?
運動?マーキング?日光浴?トイレ?・・・
私はお恥ずかしながら、獣医師でありながら、「小型犬の散歩」って、あまり重要ではないと思っていました。
小型犬なら部屋の中でうろちょろしていれば、それほど運動量は必要ないし、トイレもケージの中でちゃんとできるし・・・。
だから、たま~に時間があいた時、気が向いた時だけ、ちょこっとお散歩に連れて行っていました。
そうして年月が過ぎ、7歳を過ぎる頃から、愛犬達のあちこちに老化現象が見られるようになってきました。顔に白い毛が増え、口臭が気になり出し、黒目のレンズが少しずつ白く濁り、毛づやが落ちて、全身の筋肉が少しずつ痩せてきて…。
そして8歳を過ぎたある時を境に、多飲多尿という、水をがぶがぶと飲みおしっこが沢山出る症状が出てきました。
当時私はまだ中医学(東洋医学)の勉強を始めたばかりで、中医学的にこのことを診ることが難しく、ひとまず西洋医学的に診ることにし、血液検査で全身的にチェックしました。でも、検査には何も引っ掛からず、いわゆる多飲多尿の症状の出る病気ではないのです。何もできず様子を見ていました。
少しずつ勉強しながら、鍼をしてみて、一旦良くなったけどまたぶり返し、1年も経つと今度は便通が悪くなりました。毎日1回は出ていたのが、2~3日に1回、硬いのが出るようになりました。
中医学の勉強が進むと、多飲多尿に対してはだいたい目安がついて、漢方薬で対処できるようになりましたが、それでも便通の改善には至りませんでした。(しめじの体質と治療については、また後ほど書きます!)やっぱり年をとると、全身の筋肉は衰えてしまうんですよね。それは腸を動かすためのあらゆる筋肉も同じです。
そうこうしているうちに、ある日、ハタと気付きました。
・・・ しめじのお腹に、出来物ができている!!
直径6mmくらいのものでした。
これは、長年獣医師としていろんな患者さんの出来物を見てきた私としては、かなりのショックでした。
と同時に、ものすごい不安が襲ってきました。その出来物は、明らかに皮膚炎などの炎症ではなくて、腫瘍の姿をしていたのです。
しかも、高齢犬に多い肥満細胞腫*という悪性腫瘍の外観によく似ていました。
「どうしよう・・・。」
これがどんどん大きくなって、リンパ節や内臓に転移して・・・
悪い想像ばかりが浮かびます。
こんな時の心境は、獣医師であっても、一般の飼い主さんと全く変わらないのです。
腫瘍は、一般的には、見た目では良性・悪性の区別がつかないので、まず針生検(ニードルバイオプシー)などで一部の組織を採取して細胞診(染色して顕微鏡で見る)するか病理検査に出し、それがどんな腫瘍なのかを仮診断します。悪性の疑いがある場合、手術にて切除する。悪性で転移の可能性が高い場合、抗がん剤治療も併用します。これがスタンダードかなと思います。
しかし・・・。
しめじは若い時に股関節をわずらい、2回手術を経験しています。9歳は決して若くないですし、何よりも、痛い思いをまたさせてしまうのは心苦しい。手術は侵襲性(切ることによって起こる身体ストレス)、痛み、ともに心身にとても負担をかける治療法です。もちろん、命に関わる救急疾患や整形外科的疾患など、どうしても必要な時もあります。
でも、2度も手術して術後苦しんだしめじを見てきた、旦那の術後の苦しみをいやというほど見てきた、自分も術後苦しんだ。
そんな経験から、どうしてもすぐに外科的治療に踏み切る気持ちにはなれませんでした。
悩んでいる間にも出来物はだんだんと大きくなってきます。
「ちょっと、待てよ・・・」
「どうしてこの腫瘍はできてしまったのか?」
まず、ここを考えてみることにしました。
記事はまだまだ続くのですが、かなり長くなってしまったので、ひとまずここで区切らせていただくことにしました!
その2に続きます~
しめじに起こった奇跡?(その2) - あきっと獣医のおうちでほっこり中医学ブログ