あきっと獣医のおうちでほっこり中医学ブログ

中医学を勉強中の獣医師です。犬との生活、鍼治療、マッサージ、食養生、漢方治療、心の持ち方、家族との生活、自己の健康、引き寄せ、などについて綴ります。

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しめじに起こった奇跡?(その2)

さて、愛犬のお腹に腫瘍を見つけてしまった私。

西洋医学ではなくて、中医学的な観点から、その腫瘍について考えてみることに・・・。

はたしてうまくいくのでしょうか?

 

 

 

中医学東洋医学)では、腫瘍は 瘀血 毒素 痰 と言われています。それらを招く現象は、冷えだったり、血のめぐりが悪い状態(血瘀)だったり、気滞(ストレスがたまって気のめぐりが悪い状態)だったり、津液が滞ることなど、色々なのですが、しめじは冷え体質ではないし、気滞の症状は出ていないし、痰湿タイプでもないので、まずはこの場所の血のめぐりが悪いのではないかと考えました。

 

すると、はっきりと血のめぐりが悪い原因が見えてきたのです。

その原因とは、二つありました。

 

 

まず、この場所の血管走行を考えると、

 

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股の部分の腹壁(ふくへき)というお腹の壁には、鼠径輪(そけいりん)という小さな穴があいており、内蔵などが収まっているお腹の中からこのように動脈や静脈などが連絡していて、皮下組織や皮膚、乳腺組織や精巣に栄養を与えています。


しめじの場合、幼少期から左側に鼠径ヘルニア(軽度)を持っているので、鼠径輪から脂肪が飛び出ていて、血管などが通る隙間が普通の子よりも狭くなることもあると考えられます。さわってみると、飛び出た脂肪は押すと引っ込み、又動いたりすればもとの飛び出た状態になる、自由度の高いものでした。

 

しかし、何かの影響で、鼠径ヘルニアで飛び出た脂肪がおっぱいの周辺を栄養している血管を圧迫して、血行を悪くしている可能性がありました。

 

 

もうひとつは、この部分の内臓構造が・・・

 

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ちょっとわかりづらいんですが、犬の下行結腸は、お腹の左側を通っています。もし、便秘してここがパンパンに張ってしまったらどうでしょうか?

そうです、ちょうど鼠径部のところです。

血行が阻害される理由になるのではないでしょうか?

 

実際しめじは、さわってみると硬い便がここにあるのがはっきりとわかるくらいでした。

 

 

私はしめじの出来物が、鼠径ヘルニアと便秘が重なったことでその部位を栄養している血管を圧迫、血行を阻害し、できた、と解釈しました。

 

 

もし手術でこの腫瘍だけを部分切除したとしても、原因が除去できなければきっとまた再発するだろう、と思いました。

 

 

私は長らく軽視していた、「散歩」を毎日行い、運動させ、毎日排便があるように促しました。そして毎朝の日課のマッサージの時に、合わせて鼠径部を念入りにマッサージしました。(出来物そのものはさわりません。)

もしこれで効果がなければ、免疫力を高めるような漢方薬も併用しようと考えていました。

 

 

ところが、数日後・・・。

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なんか、細長くなってきたぞ ?

 

 

さらに、3日後・・・

 

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もしかして、小さくなってる?

 

期待に胸がふくらみます!!

 

 

さらに、1週間後・・・

 

 

 

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ちょっとピンボケで見にくいですが、わかりますか?

 

あきらかに、小さくなってる!!

 

 

もう、踊ってしまいます。

これはイケると思いました。

しばらく続けていくと、さらに出来物は小さくなり、

 

 

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1ヶ月半後には、ほとんどわからなくなってしまいました。(黒い乳首の上にある小さなポッチがなんか微妙に大きくなってるのが気になりますが)

 

そして今現在が

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シミのようなものは見えますが、ほぼ何もないです 。



やっぱり中医学東洋医学)の言うことは、間違いではなかった!!

この一件があってから、私はますます 確信を深め、そして魅力にはまっていったのでした。

 

 

(*もちろん肥満細胞腫ではなく、別の腫瘍だった可能性もあります。同じような外観のものは他にもあり、中でも、若齢犬でたまに見られる良性の組織球腫は、1~3ヶ月ほどで自然消失します。たまたまこれであったという可能性も否定できませんが、高齢犬での発生はまれなため、良性組織球腫の可能性は低いと考えています。

*尚、腫瘍のすべてがこのような対処で治るわけではありません。自己判断せずに、かかりつけ医にご相談下さい。また、肥満細胞腫の外観はさまざまですので、これと違うからといって肥満細胞腫ではないとは言えません。ご注意ください。)

 

 

 

  本件は、一言でいえば、私の軽率な考え方から愛犬に適切な生活を送らせてあげられなかったために腫瘍ができてしまい、早めに気づいて生活の改善をしたことでそれが治った。

ただそれだけです。

でも、このことから言えるのは、薬より何よりまず、日々の生活を正しく送る(送らせる)ことが大切!ということではないでしょうか。

中医学東洋医学)では、このような日常の生活や運動、食事などの「養生」というものをとても大事にしています。

今回はまさにこれを実感させてもらえた出来事でした。

 

 

 ちなみに、犬にとっての散歩ですが・・・

  1. 運動
  2. 五感を刺激し、本能的欲求を満たす
  3. 飼い主さんとのコミュニケーション

 ということが言われているようです。

心身ともにリフレッシュされる大切な習慣ということでしょうか。

これからも大切に続けていきたいと思います。

ワンちゃんを飼われている皆さん、これから飼おうかな~と思っている皆さんも、是非、「お散歩」させてあげて下さいね!

 

 

※一度公開してから2部に分けさせていただいたので、2度も読むことになってしまった方、申し訳ありませんでした!!

 

 

次回は、飼い主さんもリフレッシュ!!~手作りチンピ茶の作り方~を書きたいと思います!どうぞお楽しみに^^

 

*画像が生々しく、見る方に不快感を与えてしまうような内容だった可能性がありましたので、ヘタっぴな(笑)イラストに変更させていただきました。不快な思いをされた方、申し訳ありませんでした。(2018年5月2日)

 

 (その1)の記事はこちら

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