あきっと獣医のおうちでほっこり中医学ブログ

中医学を勉強中のママ獣医師が、犬との生活、鍼治療、マッサージ、食餌、漢方治療、家族との生活、自己の健康、引き寄せ、などについて綴ります。

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おうちでできるペットの温灸ケア!!その1

こんにちは!あきっと獣医です!

いつも当ブログを読んでいただき、ありがとうございます^^

 

 

もう2ヶ月も前ですが、NHKで、東洋医学の特番が放送されていましたね~。東洋医学ホントのちから(概要)

ご覧になった方いらっしゃいますか?

 

 

中獣医の鍼の授業でも、鍼の医学的なエビデンスは年々増えてきているというお話がありましたが、正直ここまでとは思っていなかったので、色々驚きと発見があって、とても興味深い内容でした。

 

また、神経疾患や運動器疾患などに西洋医学東洋医学を併用して治療しているという内容については、国際中獣医学院 中国校の校長も、「中西結合」(中医学と西洋医学の良いとこどりの治療法)という方針を重んじていて、動物の方でも色々な症例に用いて結果を出している治療法なんです。ヒトの医療でもかなり進んできているものなのだと、番組を見て分かりました。

 

これからもっともっとこのように西洋医学の治療に中医学や他の代替医療を平行させる治療法が広く浸透していったら、もっと多くの方やペット達が救われるような気がしてなりません。

 

メディアで取り上げられるということは、影響力がとても大きいですよね。このような東洋医学の番組がもっと多くなってくれたらいいな~なんて、個人的には思っています。(再放送しないかな~。)

 

 

 

さて、暦の上では、立冬が過ぎました。冬がやってきましたね。

周囲の景色を見渡すと、木の葉がだんだん色づいてきて、秋深まる、という印象です。

 

 陽消陰長。(陽がだんだんと少なくなってきて、陰が増えてくる陰陽の流れのこと)

日にちごとに、寒暖の差が大きくなってきています。なんか今夜は冷えるなぁ〜と、羽織ものをする時、少し暖房をつけようかな〜なんて思う日は、ぜひ、ワンちゃんやネコちゃんの体を触ってみて下さいね。(普段からあちこち触って、体の温度を覚えておくととても良いですよ。頭や耳、足先、お腹など、部位によって温度が違うことはよくあります。)

 

シニアの子や、大病をした子などは、まえ足やうしろ足の足先、かかとなどが冷えていることがあります。また、腰のあたりからしっぽにかけて冷えている子もいます。

こういった体質は、一般的には冷え性と言われるものですが、中医学的に言うと、「陽虚」(ようきょ)の状態です。つまり、陽(陽気、熱エネルギー)が少ない状態です。

 

(細かく言うと、足先や腰下が冷える子でも単純に陽虚でないこともありますが、それでも、冷えている部分を温めることは血流を改善できるので、病気の予防につながります。ひとまず今回は足先が冷える、後ろ半身が冷える子に向けたおうちケアを解説していきますね^^)

 

 

さて、そんな陽虚の状態の子に、まさにおすすめなのが、「温灸」です。

みなさんは、「温灸」ってご存知ですか?

 

 

 

家庭で使えるお灸

 

「お灸」なら、ちょっと馴染みがある方も多いかもしれませんね。せんねん灸と呼ばれているものは、ドラッグストアなどでも手に入り一般の方でも使えますね。

 

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これらのタイプは台座灸と言います。もぐさが直接肌に触れないような構造になっているので、直接もぐさを皮膚にのせるお灸と違って、途中で火を消す必要がありません。

 

 

台座灸は、ペットに灸治療として用いることができるのですが、実際に火が点いている所が皮膚のすぐ近くにある為、ふわっとした毛並のワンちゃんニャンちゃんだと、皮毛を焦がしてしまうという難点もあります。また、ペットが動いてしまうとやけどのリスクもあるので、おうちで飼い主さんがやるのはなかなか難しいかもしれません。

 

飼い主さんが安全にペットにできるお灸は、こちらですね。

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シールが意外と弱いので、毛の生えたペットに貼り付けるのには少し工夫が必要なようです。

 

 

お灸に比べると、温灸は、皮膚をやけどさせてしまう心配もほとんどなく、また、ツボの位置を正確に把握していなくてもできるので、とっても使い易い灸だと言えます。

 

 

今回は、私が普段使っている2種類の温灸器のうち1つをご紹介いたします。

その前に、まず、温灸がいったいどのようなものなのか?をご説明しますね^^

 

 

温灸とは?

 

もぐさと温灸器を用いて、ツボよりも広範囲を深部まで温めるという温熱療法の1つで、冷えやこり、痛みなどに効果的と言われています。

 

一般的には、温灸器と呼ばれるホルダーに棒灸を差し込んだタイプのものが多く使われています。

こんなのですね。

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棒灸を差し込んで使う温灸器

 こんなのもあります。

 

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鍼の師匠にもらった素焼きの温灸器

 *この他にも色々なタイプがあります。

 

 

 

棒灸は、もぐさを棒状にぎゅっと圧縮して紙の筒に押し込んだもので、中国ではお灸といえばこの棒灸を指すそうです。

 

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中国製の棒灸とスモークレスの棒灸

 

 

棒灸だけでガーゼなどを皮膚にあてがって温灸することもできますが、ペットの場合、急に動いてしまって灰が落ちて火傷したりするリスクもあるので、飼い主さん自ら行うケアには少し不向きかもしれませんね。(動きがとてもゆっくりな子、施術中に全く動かない子には使えると思います。)

 

 

温灸器の場合、差し込んだ棒灸に火をつけ、あてがった時に丁度良い温度になるように高さを調整して使います。湿らせたガーゼなどで温灸器の口を塞いで使えば、落ちた灰で火傷する心配はありませんが、温度調整が必要ということと、時々溜まった灰を別の容器などに落とす必要があるので、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。

 

おすすめ温灸器は、これ!

そこで、私の推奨するのはこちらの「邵氏(しょうし)温灸器」というものです。

 

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使用法やベルト、炭などがセットになっている

 

もともとはヒト用の医療器具で、腰痛や肩こり、妊活などで使われていますが、これがとても使い易くて便利なんですね。

 

中医学を沢山の飼い主さんに広めようとセミナーを開いているお友達の獣医師さんに教えていただきました。Amazonなどで購入できます。

 

 

これの特徴は、まず、写真のように、メッシュが付いてるので、大きな灰がボロっと落ちて皮毛が焦げたり火傷する心配がないこと。

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当てる部分にはメッシュがある



 

もぐさを炭化させた炭を燃やすので、匂いや煙が少なく、ペットや飼い主の鼻や喉に優しいこと。

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燃料

 

炭のカートリッジは30~40分くらいで燃え尽きるので、一度点火したら終了まで温度調整や灰を捨てる手間が必要ない。(始め、中間、終わり、で温度の違いは多少あります)

 

他の温灸器を使った方にはわかると思いますが、本当に、超楽チンなんです!

温灸は初めて、という方なら、これが一番使い易いのではないかな、と思います。

ただ、一般の温灸器に比べると、燃料のコストが少し高めではあります。

 

 

それでは、使い方をご説明していきましょう^^

 

使い方

私の使い方としてご説明いたします。

説明書にはここまで詳しく載っていなかったので、メーカーの方などから見ると、もしかしたらこの点はこちらの方が良い、というのがあるかもしれませんが、ご了承下さい。

 

 

まず、取っ手をはめます。(金属部分ですね。)

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次に、もうひとつの木のパーツの方に炭のカートリッジを取り付け、端からぐるっと一周火をつけます。火を着けたら、ふぅーっと息を吹きかけると、確実に着火できます。カートリッジは差し込むだけの簡単さ。

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取っ手のついている方へそのまま下向きにカチッとはめれば準備ok.

 

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しばらくすると煙が出てきます

一定の温度になるまでにだいたい8~10分程度かかります。

ここで、注意!

網のついている側とは反対側の穴の開いてる部分はとても熱くなります。手で触らないようにまた、ペットの耳などに当たらないように気を付けてください。

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一定の温度になったら、温めたい箇所にあてていきます。

 

 

毛がフカフカしている子ならそのままで大丈夫です。毛のうすい子や、高齢で毛も皮膚もうすくなっている子は、タオルハンカチなどを1枚間に入れると安心ですね。(ヒトの場合は薄手の服やタオル1枚の上から当ててください。)

 

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1ヶ所につきだいたい40秒~1分程度、その都度どれくらい温まったかを、時々もう片方の手で、温灸をあてた部分の皮膚を触って確認しながらやりましょう。時間だけを目安にすると、温まり足りなかったり、温まり過ぎたりすることがあります。

また、痛みがひどくなければ、確認ついでに少しもみもみとマッサージしてあげると、血流がさらにアップします。

 

 

どこに温灸する?

 

もぐさの熱は深部まで浸透しますので、冷えてる箇所を直接温める、これもひとつのやり方ですが、もっと効果的なのはやはり経絡に沿ったり、ツボを中心にして行うことです。

 

 

 

陽虚の子にオススメのツボ

 

命門(めいもん)

高齢で陽虚で冷え、とくればまずここです。有名な熱エネルギーアップのツボ。命の門なんて、すごい名前ですよね。

場所は、第二腰椎棘突起のすぐ後ろ。

 

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手書きですみません

背部正中線(背中側の真ん中の線)上で、最後の肋骨からたどった脊椎(背骨)の棘突起(ボコっと出っぱったところ)を0として、そこから1,2と数えて2番目の出っぱりのすぐ後ろ側です。

温灸はだいたいの位置でよいので、この辺りを温めましょう。

もし、痩せていて、真上から温灸を当てるのが難しければ、左右から斜めに当てても大丈夫です。

 

 

腎兪(じんゆ)

腎は生命エネルギーである「精」を貯蔵している場所なので、ここが冷えて衰えてしまうと、老化も早くなってしまいます。適度に温めて、腎へ流れる血流を上げてあげましょう。正中線から左右に1.5寸のところは膀胱経と呼ばれる経絡が通っており、配列する兪穴というツボは、その名前のついた臓器の状態をよく反映すると言われています。

 

場所は、犬猫の場合

「第二腰椎横突起末端の高さ、正中線から外側に1.5寸 」です。

 

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温灸の場合、だいたいでも大丈夫なので、

最後肋骨のやや後ろで背骨の横くらいを目安にしていただくと良いと思います。

 

 

 

さて、この2つのツボを温めるだけでも効果はありますが、さらに、後ろ足の冷えてる子にオススメなのが、仙骨です。

 

これはお世話になっている鍼灸師さんに教えていただいたのですが、人では仙骨をお灸などで温めると、足先が直ぐにじんわりあたたまります。(ご自身でやってみていただくと分かりますが、これ、すごく実感があります。)ペットも同様に温まりますよ。

ツボで言うと、動物では、腰の百会(こしのひゃくえ)や、上髎(じょうりょう)、次髎(じりょう)のある所です。仙骨のすぐお腹側には、大動脈から後肢に分岐する血管の分岐点があるので、ここを温めると、血液そのものが温められる効果もあるのでしょうね。

場所としては、骨盤が見つかれば、その間のくぼんだところ全体を温めれば大丈夫です。

 

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少し温か過ぎるかな?というくらい温めてください。

 

 

ご紹介した部分を、トータルでは1日15分程度温めます。

ペットちゃんに使った後の温灸はまだ使えますので、是非飼い主さんの仙骨や腰をあたためてください(笑)

すごく冷えている子はできれば毎日、そこまででなければ、週に2,3回行ってあげると良いと思います。

舌の色がいつも赤っぽくて、ハアハアしやすい老犬の子は、陰虚といって、熱が頭にのぼりやすいので、温灸の最後に、頭の後ろからお尻にかけてを後ろ方向によく擦ってあげましょう。

 

 

これは、気が頭の方にのぼりやすいので、下に下にと流してあげましょうーということです。温灸だけでも、気が後半身へ流れやすくなるので効果はありますが、このひと手間を加えるとさらに良いです。

 

 

温灸後に、冷えていた部分をもう一度触って、ほんのわずかにでも温まっていれば、効果アリです^^(触るよりも、感じている本人の方がもっと効果を感じています。)

でも、温灸は鍼のように効果が持続するものではないので、毎日~数日おきに続けていきます。すると、段々と少しずつ冷えが解消されていきます。ですので、1回であまり効果ないかな?と思われても、2週間くらいは続けてみてください。(状態によっては効果が出ない場合もあります。)

 

 

ワンちゃんやネコちゃんの性格によっては、飼い主さんの「やるぞー」オーラを敏感に感じとると、警戒して逃げてしまう子もいると思います。

初めてやる時は、飼い主さん自らでやってみて、「あ〜これ気持ちいいわ〜^^♪」などと目の前で見せてあげると良いかもしれませんね。

興味を示してくれたら、「○○ちゃんもやってみる?」と軽く当ててあげてみてください。そして、させてくれたら「気持ちいいね~^^」とやさしく撫でてあげてくださいね。

 

使い終わったら

燃え尽きた後は、冷めるまで安全な場所に置いておきましょう。冷めたら、シンクなど水場で灰を捨てれば火の元も心配ありません。くれぐれも、やけどや火の後始末にはお気をつけください。 

 

 

いかがでしたでしょうか?

忙しい毎日を送られている飼い主さんは、なかなかペットにこのような時間をかけてあげることが難しいかもしれませんね。

でも、一度知ってしまうと、自分からせがんでくる子もいる程、気持ちのいい温灸です。うちの犬達は温灸の最中に寝てしまいます(笑)

特にシニアの子は、日々、こういった少しの手間をかけてあげることが後々の健康維持につながりますので、是非、生活の習慣として取り入れていっていただけたら幸いです^^

 

 

次回は、温灸その2として、棒灸を差し込むタイプの温灸器についてお話いたします。

どうぞ、お楽しみに^^

 

 

今回出てきたグッズはこちら

 

あきっと中医ペットクリニックでは、もっと詳しく丁寧に温灸方法をお教えし、ペットの体質に合わせたツボをお伝えすることができます。また、マッサージや食事などの指導もさせていただいております。

ご興味のある方はどうぞご連絡ください。

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